新社長TOP INTERVIEW
2023年3月期の業績振り返り
リユース業態、流通卸売業態とも順調に売上を拡大
成長戦略に基づく重要施策をしっかりと実行できた1年でした。業態別に見ると、中古カー&バイク用品の買取・販売店「アップガレージ」を直営とFCで全国展開するリユース業態では、新規出店を着実に進めながら、既存店も順調に成長いたしました。12月には旗艦店の横浜町田総本店の月間売上高が初めて1億円を突破するなど売上、利益ともに伸長いたしました。施策としては、お客様の愛車情報(商品の購入・買取・作業履歴等)を一元管理できる「アップガレージ公式アプリ」(iOS/Android)のリリース、自転車買取専門店「アップガレージサイクルズ」のチェーン展開、中古カスタムカーの販売専門店「アップガレージカーズ」のスタート等を実施。これらを通じて新たなお客様層の開拓も進み、中味の濃い1年だったと思います。
FC加盟店様および中古車を扱う事業者様向けに受発注プラットフォーム「NEXLINK(ネクスリンク)」を介した新品カー用品の卸売販売業を展開する流通卸売業態(旧ネクサスジャパン)も、取扱高が順調に推移いたしました。また、3プライスの新品タイヤ専門ブランド店「タイヤ流通センター」では、低価格で分かりやすいセットプランがライトユーザーの支持を受けて売上高を伸ばすことができました。
このように、量的側面では着実に業績を拡大させる一方、質的側面では、IT部門の強化とDXの推進に引き続き注力しております。
前述の「NEXLINK」をはじめ、弊社の基幹システムである「在庫管理システム」等は、新卒で採用し育成した若手エンジニアたちが開発・運用を行っております。
またDXは社内の業務改革やマーケティング事業において活用するのみならず、「NEXLINK」をご活用いただいている業界大手の中古車ディーラー様や中堅・中小の自動車整備会社様等にも、積極的にノウハウや成功事例を基にしたご提案を行うことで、自動車業界全体の業務効率化・高度化に貢献していきたいと考えております。
株式会社アップガレージグループとして
新たにスタート
成長スピードの加速と企業価値向上を目指して
サービスブランドと社名を統一
2023年4月1日より私たちは組織再編および商号変更を行い、株式会社アップガレージグループとして新たにスタートしました。最大の理由は、事業の成長スピードを加速させ、企業価値の向上を目指すためです。それには、国内外で高い知名度を誇る『アップガレージ』のブランド名称と社名を統一することが必要だと判断いたしました。もちろん、多くの社員の『アップガレージ愛』に応えて従業員ロイヤルティを高めることも理由の1つです。
中長期的な成長戦略と
今期の重点施策
リユース業態の目標は国内300店舗
今期は米国カリフォルニア州での出店を目指す
リユース業態は、国内300店舗を目指して年間10~15店舗(直営3~5/FC7~10)の出店を継続します。CtoCのフリマサイト、オークションサービスとの違いは、店舗でプロによる取り付け作業ができ、安全面を保証できることです。
近年は地方にも直営店を出店していますが、首都圏は直営店、それ以外の地域にはFC展開が基本方針となります。
弊社のビジネスモデルはお客様から買取させていただいた商品が店舗の在庫となります。
そのため、新規出店の際は既存店から新店へ在庫を支援(移動)する必要があるため既存店在庫に影響を与えることになります。既存店へのご来店を楽しみにしていただいているお客様を大切にしながら、先を急がず、人口30万エリアに1店舗の割合を守りながら丁寧に進めていきます。
更に今期は、米国カリフォルニア州への新規出店を目指します。カリフォルニアは米国でも日本車のファンが多いエリアです。アップガレ-ジの知名度も高く「聖地巡礼」という意味合いで日本国内の店舗を訪れ、店頭に展示しているのぼりやスタッフのユニホームの販売を希望するファンもいるほどです。これはとてもありがたいことですが、海外への販売は現状では一方通行のままで、買取・販売の循環を作ることが極めて難しい状況です。米国進出は、その課題を解決するための施策です。カリフォルニア州はセカンドハンズ(日本の古物商)に対する認可が厳しく、ライセンスの取得に時間がかかるかもしれませんが、すでに現地に子会社を設立済で、事務所も倉庫も持っておりますので、スピード感を持って進められると思います。米国で仕事がしたくて入社したスタッフもいますので、今期中に何としても実現したいですね。
煩雑なオペレーションを一元管理できる
受発注プラットフォーム「NEXLINK」の導入を拡大
流通卸売業態では「タイヤ流通センター」の出店を加速します。今期も整備工場様、ガソリンスタンド様を中心に、30店舗のFC新規加盟を目標としています。
流通卸売業態では受発注プラットフォーム「NEXLINK」を導入していただける新規取引先の開拓にも注力します。主なターゲットは中古車ディーラー様、整備工場様です。この「NEXLINK」の強みは受発注・納品・支払い管理等をシステム上で実施し、かつ一元管理できることです。中小規模の販売店や整備工場では、いまだに電話・FAXで受発注を行っているところも多く、新法令への対応に苦慮されていらっしゃると伺っております。
今期は営業を更に強化して、電子帳簿法改正・インボイス制度に対応し、更に業務効率の改善やDX化をしたいと考えている自動車業界内へ、DX導入支援という形で貢献していきたいと考えています。
大切なのは「何をするか」より「誰とするか」
社員の意欲とアイデアを活かして新たなステージへ
新規事業として、自動車業界に特化した求人サイト「BoonBoonJob」(ブーンブーンジョブ)の運営にも注力しています。現在の掲載企業数は1万2,000社を数え、求人件数は2万5,000件を超えています。20年以上自動車業界に携わってきた当社グループのスケールメリットを活かし、クルマ好きバイク好きの就・転職をサポートします。
ITソリューション事業では店舗オペレーションのDX化を引き続き進め、業務効率の改善に取り組みます。マーケティングチームのリーダーはクルマについてはライトユーザー寄りの外国人女性で、彼女を支えるのがクルマ好きバイク好きのスタッフです。このチームが市場を俯瞰しマネジメントすることで、誰にとっても使い勝手のいいシステムを開発できているのだと感じています。
前述の「NEXLINK」とあわせて自社開発した他のシステムも業界内で利用していただけるよう営業・提案活動を行い成長させていきたいと考えています。
新規事業についてはいくつか構想中のものがありますが、リユース業態については車輪にこだわってビジネスを展開したいと考えております。分かりやすく申し上げると、「乳母車から車椅子まで」、車輪がついているものを幅広く扱って皆様と長くお付き合いさせていただきたいと思っています。
このコンセプトから生まれた新規ビジネスが、昨年チェーン展開を開始した中古自転車の買取・販売専門店「アップガレージサイクルズ」です。
当社は社員のやりたいこと、アイデアを具現化する会社です。私自身も「何をするか」より「誰とするか」を重視する経営者でありたいと考えていますので、今後も私たちの新たな挑戦にご注目ください。
外部環境の変化への対応
EV車の普及、若者のクルマ離れへの対応
自動車業界でも今後、EV車の割合が高まることが予想されますが、大きなリスクとは考えていません。なぜなら、当社のビジネスの主軸は中古カー&バイク用品であり、EV車がメインになった際に、内燃機関系のパーツなど品揃えは多少変化があると思いますが、タイヤや外装パーツがなくなることはありません。もちろん、部品の品揃えを変えるという観点にとどまらず、そもそも、世の中の新しい変化にも柔軟に対応できるよう、柔軟性のある人材の採用と育成に取り組み、新たな仕組みやサービスを構築して対応していきます。
若者のクルマ離れについても特に憂慮はしていません。首都圏と地方都市では事情がまるで違います。地方では、若者にとってもクルマは不可欠な移動手段です。事実、地方に展開しているアップガレージのFC店では若者の来店者数が着実に増えており、クルマ好きな親子が一緒にご来店くださる光景を拝見すると、とても嬉しく感じます。またフリマサイト、オークションサービスの拡大によって中古品に対する意識の変化や関心も高まっていると思います。
弊社がクルマとバイクの快適さ、楽しさを伝えることによって「クルマやバイクって良いな」と興味関心を持っていただけるよう、SUPER
GTへの参戦等を含めて色々な角度からアプローチしていきたいと思います。
株主の皆様へのメッセージ
当社は、株主の皆様への利益還元を重要な経営方針の1つとして位置づけており、配当金につきましては配当性向30%程度を目標水準と定め、積極的な事業展開の推進により利益の継続的な増加を目指します。新たな取り組みや新店舗オープン等の情報については、当社Webサイトのほか、私河野のTwitterでも配信しています。当社のファンでいてくださる皆様からの応援メッセージやお問い合わせが何よりの励みになっています。皆様からの声をしっかりと受け止めながら更なる成長を目指してまいりますので、今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
河野 映彦
代表取締役社長
略歴
- 2005年4月
- 野村證券(株) 入社
- 2012年7月
- (株)アップガレージ 入社
- 2013年1月
- 同社 社長室長
- 2014年4月
- 同社 取締役Croooober事業本部長
- 2015年4月
- 同社 取締役
- 2018年4月
- (株)アップガレージ 代表取締役社長
- 2018年8月
- UP GARAGE USA Co., Ltd.設立
代表取締役(現任)
- 2022年4月
- 同社 取締役副社長
- 2023年4月
- ㈱アップガレージグループへ組織再編および商号変更
当社 代表取締役社長(現任)
FINANCIAL SUMMARY
2023年3月期 業績
前期比7.8%増収 22.9%営業増益
期初計画に対し上振れ着地
- 新品価格が上昇する中で、
中古カー&バイク用品の需要拡大により
過去最高売上高を達成 - アップガレージ新規出店は直営5店舗、FC9店舗と年間出店計画を達成
2024年3月期 業績予想
重点施策の遂行により
10.1%増収 18.1%営業増益を計画
- 〈重点施策〉
- 出店計画(直営5店舗、FC10店舗、サイクルズ5店舗)の着実な実行
- 既存店の活性化、EC事業の拡大
- 売上総利益率の向上
- 顧客層の拡大、リユース新業態の成長
-
売上高
(単位:百万円)
-
営業利益
(単位:百万円)
-
当期純利益
(単位:百万円)
PICK UP事業OUR BUSINESS
タイヤ流通センターでは、サイズやメーカーによって料金体系が分かりにくいと言われている新品タイヤを3つのプライスでパッケージ化した商品の提案を行う新品タイヤ専門ブランド店です。
タイヤ流通センター加盟店様には、当社開発の受発注プラットフォーム「NEXLINK」をご提供いたします。
受注・発注・納品・支払いを一元化できるシステム「NEXLINK」を通じて、自動車用品業界の業務効率化とDX化を推進しております。
簡単! スピーディー!
タイヤ流通センターのタイヤ交換
タイヤ見積りとタイヤ交換予約がWebで簡単にできます!
-
プラン、車種選択
ブランドが分からなくても簡単3ステップで見積り&予約が完了します。
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取付店舗、日付を選択
お近くの店舗を検索して、タイヤ取付日時の候補を選びます。
-
取付店舗へ行く
ご予約いただいたタイヤ取付日時にて、ご来店をお待ちしております!
NEXLINKについて
PICK UP事業OUR BUSINESS
店舗数全国No.1の車検専門チェーン「コバック」をFC運営されている株式会社トータス様。
トータス様は「タイヤ流通センター」、そして自動車業界のサプライチェーンの変革とDX化を推進する「NEXLINK(ネクスリンク)」をどのように活用されているのか、お話を伺いました。
導入前の課題
タイヤの販売、管理両面での業務効率が課題
繁忙期には1日20件以上の車検を行うコバック大和店様。そのため整備士さんは、種類が多く時間のかかるタイヤ販売に時間を割けず、販売機会を逃しているのではないかという課題をお持ちでした。
また、タイヤは多数のサイズやメーカーがあるため在庫管理が難しく、余剰在庫を持つケースも多くありました。発注はメーカーごとに行っていらしたので、事務処理の煩雑さも課題の1つとなっていました。
導入の決め手
車検店にマッチしたタイヤ販売モデルで
接客がスムーズに
タイヤ流通センターは、3プライスでご案内が明瞭簡単。そのため、タイヤに詳しくないフロント担当の方でも簡単にタイヤをおすすめできる点に魅力を感じていただきました。
また、各メーカーに行っていたタイヤ発注がNEXLINKだけで完了できるので、業務の簡略化に繋がること、更にタイヤ流通センターのWebサイトからの予約来店も見込めるので、新規のお客様の獲得にも繋がるのでは、と期待をしていただきました。
導入の効果
タイヤ交換の受注率増と業務効率化を実現
フロント担当の方でもタイヤ販売ができることで、ご案内の機会が増え、タイヤの受注率は格段に上がりました。「3プライスのインパクトと価格競争力があるので、タイヤ交換のリピート率も上昇しました。女性やご年配のお客様にも、分かりやすいのでご好評いただいています。また、タイヤ交換予約からの約2割が、本業である車検の受注に繋がっており顧客獲得の観点からも効果を感じています。」とフロント担当の中村様。
整備士の黒須様は「NEXLINKのおかげで受発注~支払い管理まで本当にラクになりました。よく出るタイヤサイズだけは在庫を持ち、それ以外は都度発注をしています。シーズンに合わせて在庫数を調整できるので、無駄な在庫を持つことなくコスト削減に繋がっています。NEXLINKの機能を使い、発注段階で在庫なのか、どのお客様のご注文なのかを振り分けられるので、受注・発注・納品・支払い・取付作業の担当者が異なる場合でもスムーズに管理ができています。」とお話くださいました。更に「システム一括管理ができるので、担当者が代わっても状況が一目で分かり、引継ぎによるヒューマンエラーの防止にも繋がっている。」とのお話もいただきました。
営業担当者より
タイヤ流通センター、そしてNEXLINKにご満足いただき、大変嬉しく思います。
当社ではタイヤを販売するだけでなく、ビジネスモデルごとご提案できることが強みであり、コバック様のようなお忙しい車検店様には非常にマッチすると思いご提案させていただきました。今後もコバック様、トータス様のご発展の一翼を担えればと思います!
店舗開発部長
山中
数字で見るSUSTAINABILITY
当社は、展開する事業を成長・発展させ、企業価値を向上させることを通じて、社会の持続的成長に貢献します。とりわけ祖業であり事業の中心軸である自動車・バイク関連パーツのリユース業態は、「買取→チェック・修理→販売→買取」という循環を作ることにより、商品が持つモノとしての価値を再創造し、SDGsが目指す循環型社会構築に直接寄与します。
また、社会との共生を図り、お客様・お取引先様・従業員・株主様等のステークホルダーの信頼と期待に応えるべく、高邁な経営を行います。
更に、サステナビリティに対して、経営陣が自ら取り組むだけでなく、従業員に対し、事業活動の中で実践するために必要な知識向上を目的として、教育・啓発を継続的に行います。
リユース業態による温室効果ガス(GHG)削減貢献量データの開示
EFFORTS 01
温室効果ガス(GHG)を年間約8,700t削減することで、
杉の木約624,000本分のCO2吸収量と同等の温室効果ガス(GHG)削減に貢献しています。
(1本が1年に取り込むCO2量は約14kg)
アップガレージによるリユース業態を通して、直営店だけでも年間約8,700tの温室効果ガス(GHG)削減に相当するモノの循環を生み出しました(2023年3月期実績)。今後も、事業活動と温室効果ガス(GHG)排出量の削減を両立してまいります。
ダイバーシティ&インクルージョン
EFFORTS 02
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当社では、社員一人一人を「人的資本」ととらえ、既成概念にとらわれずビジネスを進化させる人材を採用・育成することにより、人も会社も持続的に成長できる環境作りが必要不可欠だと考えております。
私たちは「人材で経営戦略が決まる」と考え、かつ「多様性」を考慮して、人材が成長する環境作りと、ビジネスが進化する仕組み作りに取り組んでおります。
社員が考案! ユニークな制度が充実
EFFORTS 03
制度・手当
- カフェテリア休暇制度(趣味や家族旅行、恋愛等に使える年間最大5日の休暇制度)
- フレックス勤務制度
- 禁煙手当
- バリューアップ手当(スポーツクラブや新聞等の定期契約に対する手当)
- グローバルチャレンジ(会社負担で海外留学にチャレンジできる制度)
- ベビーシッター費用補助
and more