社長TOP INTERVIEW
2025年3月期の振り返りと
今期の重要施策
旺盛なリユース需要を捉え、過去最高の売上高・
営業利益を達成。
2026年3月期は、2桁増収、25%の利益増を計画。
株主還元強化も継続。
中期経営計画で掲げる成長戦略を着実に遂行し、
10年先を見据えた組織づくり、
事業基盤づくりに邁進します。
上場以来増収増益を継続
良好な事業環境を追い風に、リユース業態、流通卸売業態ともに成長
株主・個人投資家の皆様におかれましては、日頃より多大なるご支援・ご愛顧を賜り、深く感謝申し上げます。
2025年3月期の業績は、売上高139億8,100万円(前期比11.3%増)、営業利益10億4,400万円(同8.3%増)、経常利益10億8,300万円(同11.1%増)、当期純利益7億8,500万円(同22.9%増)と、上場以来連続での増収増益となりました。
当社グループの核となるリユース業態では、物価高の影響で中古カー用品・バイク用品への需要が高まり、買取および販売が順調に推移しました。また、新規出店をはじめとする各種施策が功を奏し、売上高は前期比8.9%増となりました。流通卸売業態では、前々期の暖冬の影響を受けて停滞していたタイヤ流通センターの卸売が回復したほか、ネクスリンクが大幅に成長し、売上高は前期比14.8%増となりました。利益面では、増収に加えて、全社的なコストコントロールが進んだことで、人的資本投資や国内外での新規出店等で増加した販管費も吸収することができました。これらの結果、過去最高の売上、利益の更新を継続することができました。
中期経営計画「未来UPビジョン2024」
初年度は3本柱の成長戦略を推進するための
礎づくりに注力
2029年3月期を最終年度とする5カ年の中期経営計画「未来UPビジョン2024」では、売上高207億4,000万円、営業利益22億8,000万円を目標に、「マーケットの拡大」「循環モデル拡張・効率化」「人的資本強化」という3本柱の成長戦略を推進しています。その初年度である当期は、各施策においておおむね計画通り進捗し、目標達成に向けた基盤づくりに注力できた1年となりました。

「マーケットの拡大」においては、新規店舗として、国内直営店3店舗、FC店5店舗、サイクルズ3店舗、そして初の海外店舗となるUSA1号店を出店。米国は日本車を愛好する方が多く、日本では手に入らない稀少パーツも数多く流通している魅力的な市場です。USA1号店も順調な滑り出しとなり、既に2号店の出店準備を進めています。将来的にはさらに店舗数を増やし、日米で在庫移動ができる仕組みを模索してまいります。
「循環モデル拡張・効率化」においては、当期からスタッドレスタイヤのレンタルサービスのオンライン予約を開始し、ご好評をいただいております。当社では、オンラインシステムや自社アプリ等は社内エンジニアによる内製化を進めています。外注するよりもコスト・スピード面で効率的であり、また、たとえ施策が失敗したとしても、その開発経験自体が当社の資産となると考えているからです。社内エンジニアによるシステムの開発・運用は今後も強化し、採用にも力を入れてまいります。
「人的資本強化」においては、年齢、性別、国籍にとらわれない多様性に富んだ採用と、責任ある職種への若手の登用を推進しています。また、能力ある人材の採用や、アルバイトの社員登用を進めてきた結果、女性従業員の割合が増えたため、当期は初めて女性従業員(FC従業員様も含む)を対象に「ウーマンミーティング」を開催しました。
今後も、当社の目指すべき姿である『循環型社会(サーキュラーエコノミー)におけるMobility Partsの中核的サービスプロバイダー』への変革と業績目標達成のため、3つの成長戦略を推進してまいります。
2026年3月期の重点施策は「組織の最適化」
10年先を見据えた組織体制の構築を進める
今期は、引き続き当社の強みであるリユース業態の強化と、流通卸売業態の成長に向けて取り組むことで、売上高155億円(前期比10.9%増)、営業利益13億1,500万円(同25.9%増)、経常利益13億2,500万円(同22.3%増)、当期純利益8億5,100万円(同8.3%増)を計画しています。
この目標達成のために、今期掲げているテーマが「組織の最適化」です。既に20代の部長を2名抜擢するなど、大胆な人材登用を実施し、組織の活性化を図っています。また、社員にとってやりがいのある体制づくりを進めるとともに、新卒の給料アップなどの施策も実施し、優秀な人材の獲得に注力してまいります。これらの取り組みは、10年後の当社のさらなる飛躍に繋がると考えています。
リユース業態では、新規出店の継続および既存店の利益率向上を進めます。特に、下期にはFC様のロイヤリティ率の改定を予定しております。値上げ分はFC様店舗のシステム投資やキャンペーン参加費用等のサポートにも活用し、アップガレージグループとしてのブランド力強化を図ります。
流通卸売業態では、仕入れ方法の見直しによる利益率向上や取引先企業の拡大を目指してまいります。新品パーツを取り扱う流通卸売業態は、競合企業の多いレッドオーシャンではあるものの、リユース業態とのシナジー創出の機会を増やすことができる重要な事業と位置付けています。
リユース需要の高まりなど、現在の外部環境は当社にとって追い風ではありますが、この状況がいつまでも続くとは考えていません。中古カー用品市場は、新車市場や新品カー用品・バイク用品市場との連動性が高く、中長期的には不透明な状況にあります。しかしながら、当社が新品カー用品・バイク用品市場で切磋琢磨し、そこで得た経験やノウハウを活かすことで、中古カー用品・バイク用品市場もさらに活性化できると確信しています。
当社からお客様に魅力あるカー&バイクライフを提案していくことで、10年先、その先の業界全体の活性化に貢献してまいります。

今期配当予想は4.0円増配の36.5円
配当性向40%を目指し、
段階的引き上げを図る
当社グループは、株主様への利益還元を経営上の重点項目と考えております。
将来的には、本格的なグローバル進出や東証プライム市場への区分変更も見据え、株主還元および積極的な資本政策を実行することで、当社株式への投資の魅力向上を図ってまいります。
今期の1株あたり配当金(予想)は36.5円で、4.0円の増配となっています。株主の皆様へしっかりと還元していくためにも、中期経営計画で定めた2029年3月期の配当性向40%達成を目指し、段階的に配当金の引き上げを行ってまいります。また、2024年3月期から開始した株主優待制度もご好評をいただいております。
株主の皆様には引き続きご支援をお願いするとともに、当社の今後の事業成長にぜひご期待ください。
FINANCIAL SUMMARY
2025年3月期 業績
前期比11.3%増収、8.3%営業増益
過去最高売上高&利益
- リユース業態で前期比8.9%増収、流通卸売業態で前期比14.8%増収と順調に推移
- 直営店で3店舗、FC店で5店舗、サイクルズで3店舗の新規出店
2026年3月期 業績計画
前期比10.9%増収、25.9%営業増益
継続的な売上・利益成長で
資本コストを上回るROE、ROICの向上を目指す
〈重点施策〉
リユース業態
- 継続的な新規出店と既存店の利益率の改善
- 下期からFC収入の価格改定(ロイヤリティ料率、加盟金)
流通卸業態
- ネクスリンクの導入企業の拡大と取扱高の増加、利益率の改善
-
売上高
(単位:百万円)
-
営業利益
(単位:百万円)
-
当期純利益
(単位:百万円)
一株あたり配当金推移
当期の期末配当は5円増額の32.5円に上方修正
上場以来連続増配を継続
-
(単位:百万円)
-
株主還元方針
配当性向30%を目標水準として毎期継続的に株主還元を行う方針
中期経営計画で目指す配当性向目標水準40%へ向け、段階的引き上げを実施
SPECIAL FEATURECROSS TALK
当社では経営理念に「Good Mobility, Happy Life」を掲げ、お客様視点での施策を実施し、顧客満足度向上に全社をあげて取り組んでいます。
最前線で活躍する20代の新任部長2名と、店舗の若手社員2名に話を聞きました。


どのような社内DX化が進んでいるのか、教えてください。



2025年2月には、『棚卸DX』をリリースしました。棚卸作業は各店舗で月1回実施するのですが、大きな店舗では夜20時を超えるほど遅くまでかかってしまうこともありました。それがDX化の実現で、昼2時までに棚卸作業を終わらせる店舗が出てくるなど、確かな効果を実感しています。実際に「作業時間を56%削減できている」という検証結果もあります。


現在、進捗しているOMO戦略について教えてください。

我々が心がけているのは、集客から購入・買取まで、お客様に良い体験をしていただくことです。お客様の口コミやアンケートを基に改善を重ね、現在は買取予約や査定のオンライン予約、ECサイトでの購入品の店頭受け取り、取付けサービス等を実施しています。2024年冬からは、スタッドレスタイヤのレンタルサービスもオンラインで予約できるようになっています。


今後はお客様の購買履歴や行動履歴から、一人一人に最適な質の高い接客を実現できるように模索中です。たとえば、スタッドレスタイヤのレンタルサービスだけでも、色々な課題が見えてきました。お客様の旅程にあわせた柔軟なレンタルプランがないことや、地域によって需要のあるサイズが異なり、最適な在庫状況でなかったこと……。顧客データを活用し、最適化した商品・サービスをお勧めすることで、お客様と当社の良い関係性をつくっていきたいですね。
今後の展望について教えてください。

効率的に開発するための組織づくりも進めています。AIの活用を含めた取り組みにより、ITソリューション部全体のパフォーマンス向上を目指していきます。


